山のおじいちゃん

昨日今日と、夫と私が独身時代仕事先でお世話になった方のお家に家族4人で泊りに行った。

 

 

 

その方は77歳で、通称「山のおじいちゃん」。

 

 

 

その山のおじいちゃんのお友達の60代のおじちゃん、通称「先生」も来て、6人で宴会をした。

 

 

 

 

 

 

コタは慣れない場所、慣れない人たち、慣れない食事のメニューに囲まれながらも、おじいちゃんが振舞ってくれる搾りたてのリンゴジュースや高級すきやき、そして自宅から持ち込んだ大量のおもちゃでそれなりに楽しく過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

私はとにかく、コタが癇癪を起こさないことだけを注意した。

 

 

 

 

 

 

山のおじいちゃんはシャキッとした方で、ダメなことはしっかりダメと叱る。

 

 

 

いつもなら言われないような強い𠮟責と自宅の通りにはいかないことへの我慢に、コタは何回か癇癪を起こした。

 

 

 

その度に山のおじいちゃんも先生も「あーあ」「泣いてしまったー」と笑ってくれた。

 

 

 

さすが年の功。コタの大号泣にもうろたえない。

 

 

 

私は穏やかにコタをなだめつつ、「リンゴジュースもう一杯飲む?」などとモノで釣るという禁断の手を使ってコタを落ち着かせていた。

 

 

 

 

 

 

何回目かの癇癪の時、

 

 

 

コタは泣き叫びながらダイニングを飛び出した。

 

 

 

 

 

 

あららーどうなるかなー…と追わずに待っていると、しばらくしてダイニングの扉が開いて、にこにこ顔のコタが現れた。

 

 

 

どうやら山のおじいちゃんの家の中を一周(おじいちゃんの家は広い)したら気持ちが落ち着いたらしい。

 

 

 

クールダウンする方法を自ら編み出したのだ。

 

 

 

 

 

 

その後も何度か癇癪を起こしたが、その方法ですぐに気持ちを切り替えていた。

 

 

 

後半は、泣きながら「コタ、もどってきたら、にこにこしてるから」と言ってダイニングを飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分のクールダウン法を知る。

 

 

 

これはとても大切なことである。

 

 

 

 

 

 

コタは4歳でそれを見つけた。

 

 

 

すなわち生きる術を自分で見つけたのだ。

 

 

 

なんと素晴らしい力だろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、こうして、

 

 

 

コタのこの頑張りのおかげで、ちょっぴり不安だったお泊りも大暴れ無く楽しく過ごせたのであった。